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第76回 機能性胃腸症
胃の粘膜に器質的異常が確認できないにもかかわらず、胃の痛みや吐き気、胃もたれ、胸やけといった胃の不調が続く機能性胃腸症（機能性ディスペプシアとも呼ばれています）。
この症状に悩まされている20代女子も少なくないようです。
監修／伊藤都（伊藤メディカルクリニック）
イラスト／トシダナルホ
原因は「コレです」とはっきりしたものはわかっていませんが、食習慣の乱れやストレスなどが関与していると考えられています。
★運動不全型
吐き気。嘔吐（おうと）。腹部膨満感。胃のもたれなど
★潰瘍型
空腹時や夜間の胃の痛み
★非特異型
どちらにも当てはまらない、あるいはどちらの症状も有する現在は、【運動不全型】が半数以上を占めています。
内科や消化器内科を受診し、問診後、上部内視鏡検査で、胃の粘膜に潰瘍やがんなどの異常がないかを確認します。
血液検査、超音波などで症状の原因になりうる異常所見、内分泌疾患がない場合に「機能性胃腸症」と診断されます。
薬物治療が中心となりますが、場合によっては食生活指導が併用されることも。
タイプ別の一般的な投薬
★運動不全型
運動機能改善薬
★潰瘍型
胃酸分泌抑制薬
★非特異型
運動機能改善薬、抗不安薬など
・決まった時間に食事を取るように心がける
・食事を抜かない
・早食いはNG
・脂っこいもの、味の濃いものばかりに偏らないようにする
・睡眠時間は7時間を目標に
・時には運動を
明け方、胃がチクチクして目が覚めてしまうことがあります。
市販の胃腸薬を飲むと治まるので病院へは行っていませんが、受診したほうがいいでしょうか。
（25歳 接客業）
一度きちんと検査をすることをおすすめします。
検査で潰瘍などが発見されなければ機能性胃腸症の可能性も高いでしょう。
いずれにしても専門医のもとで適確な治療を受けることは体にとってもベストですし、精神的な不安も解消されるのではないでしょうか。
内科医
伊藤 都
伊藤メディカルクリニック院長。医学博士。平成７年、杏林大学医学部を卒業後、平成１５年には女性の健康と美しさ、若々しさを保つことを目的に同クリニックを開院。女性ならではの細やかな配慮と気さくな応対は、同世代の女性たちからも評判が高い。