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- 第11回
●復興のために風営法の改正を
皆さん、お元気でしょうか。
私はあんまり元気じゃないです。
自粛ムードに対抗すべく、東北や北関東のものを食べながらの花見をやったりしていたのですが、「あえて花見」という人たちはいても、全体としては例年より人出が少なくて、寂しいです。
都知事の自粛要請に応えた人たちもいたかもしれないですが、それ以上に、皆さん、まだ花見気分ではないんでしょう。
でも、花見をしないと、いよいよ花見気分にはならないので、無理をしても花見はした方がよろしい。
この号が出る頃には散ってますけど。
震災の影響を聞きまくっているんですけど、被災地である仙台では通常通りに営業している店が多いようですし、福島県小名浜のソープランドも営業。
そういう話を聞くとホッとします。
そういう情報があまり流れないのは困ったものです。
一方で、関東近郊では、営業はしていても、従業員を解雇した飲み屋が出てきてます。
3月の売り上げは家賃分しかなかったと言っていた店もあります。
これでは仕入れだってできないですから、まして人なんて雇う余裕はない。
新宿ゴールデン街や新宿二丁目はさほどひどいダメージは受けておらず、今まで通りに入っている店も多いのですが、これらの街を支えてきた外国人が帰国したり、関西に避難してましたから、全体としては1割から2割は売り上げが落ちているみたいで、どちらでも従業員が解雇されたとの話を聞きました。
外国人はボチボチ戻ってきてはいるんですけど、元通りにはなりそうにない。
安全な国とされていた日本はすでに過去のものです。
これを打開するためには、風営法の改正しかないと思います。
朝まで営業ができるようにして、電力が余っている深夜は照明をパッキパキにつける。
その代わり、電力使用のピークは照明をつけない。
あるいは営業をしない。
そのくらいの英断をしないと、この国はダメになってしまいます。
文 = まつざわくれいち/1958年生まれ。『エロスの原風景』(ポット出版)、『風俗お作法』(小社)など著書多数。
イラスト = 友沢ミミヨ