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- 第23回
ここまで何回かにわたって恋愛やセックスにおける男女の違いを書いてきましたが、ひとつ、大事な話を忘れてました。
「フりたい願望」です。
●言い寄られる=モテる
仲のいいゲイで、ホントに女心がよくわかっているのがいます。
というか、彼の中身は女の子です。
よくゲイは女心がわかると言いますが、それは人によりけり。
わからない人は全然わからないですが、彼みたいなタイプはわかるに決まってます。
自分のことなんだから。
彼はセックスしまくりのタイプではないのですが、時々ハッテン場に行きます。
男と男の出会いの場所です。
しかし、彼はセックスの相手を探すわけじゃなくて、言い寄られに行くのです。
言い寄ってくる男がいると、「いや、ちょっと」と冷たくして帰ってきます。
「まだまだ自分はイケる」と確認できれば満足なのです。
自分のタイプじゃない相手に言い寄られるのは断るのが面倒なだけだと私は思ってしまうのですが、彼はそれが嬉しい。
こういうタイプは女子に多いようです。
このことは「モテる」という状態はどういう状態だと思うかを男女に聞くと、よりはっきりします。
これもあくまで傾向であって、例外は多数あるのですが、男子は「たくさんとセックスができた状態を指し、自分から言い寄った場合もカウントする」という人もいます。
「一人でもセックスができればモテたと思う」という人もいます。
あるいは「セックスまで至らなくていいので、自分の好みの相手に複数言い寄られたらモテたと思う」という人も多いものです。
私もこれです。
対して女子は「セックスしたかしないかは関係がなく、自分のタイプかどうかも関係なく、複数の男性から言い寄られたらモテたと思う」と答えるのが多く、「自分から言い寄って相手が受け入れた」というケースをカウントするのはほとんどいない。
つまり、男子は自分の中に最初から必要な相手が存在していて、それに合致している場合にモテたと思い、女子は言い寄られれば、相手を問わずにモテたと感じる傾向があるみたい。
文 = まつざわくれいち/1958年生まれ。『エロスの原風景』(ポット出版)、『風俗お作法』(小社)など著書多数。
イラスト = 友沢ミミヨ