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元ヤン・AV女優・タレント・作家etc.と、一筋縄ではいかない肩書きを持つすぎはら美里。某民放テレビ局プロデューサーで、目には見えないセーターがいつも肩にかけられているマーキー。この両極端な男女2人による赤裸々な往復書簡。
幼い頃、みりは部屋から見える月が大好きで、それをずーっと眺めて「宇宙」を妄想するのが大好きだった。まず自分の身体の大きさを認識して、次に部屋の大きさ、次に家の大きさ、次に町の大きさ……と徐々にエリアを広げていき、常に自分の身体の大きさと比較していく。市内の大きさ、県、日本、地球、火星木星土星天王星冥王星海王星……。すると。あまりの自分のミクロさに目はくらみ、気を失いかける(笑)。だけど、そうして妄想していく事で、知らない大きな世界を飛び回り、「みりは本当はいつでも自由なんだ」みたいな事をロマンチックに月に語りかけたりして……いつか自分が妄想族から暴走族になるなど知りもせずに(汗)。
うちは貧乏だったので、妹と2人で何でも段ボールで作って遊んでいた。ファミコン(※1) も段ボール。マジックで書いたコントローラー。超かわいそう(ToT)。でもね、楽しかったんだよね。目の前に確実に現れる映像ではなく、脳内で発生する自由な映像。段ボール画面に妹とみりは同じ「活きた画」を見ていたように思います。
それから、うちのおかんは寝る前によく童話を読んでくれたんだけど、必ず話の続きをうちらに託すわけよ。「赤ずきんちゃんはオオカミに食べられてしまいました。さて、どうなったと思う?」。そして妄想力豊かなみりは答えます。「えっとね、オオカミの歯に挟まってた!」そんなオチに、何の教訓もねーだろ(笑)。
ただ、こうして、貧乏だったけどいつだって楽しく、うちら2人姉妹は生きてた。物がないなら作る。作れないなら頭ん中で遊ぶ。それをいつか手にする事を強く夢見て。
最近よく処女のコから「異性に関する知識がないから不安」という相談を受けるんだけど、確かに絶対必要な情報ってある。けど、言ったらコンドーム使用法くらいでさ。あとは自分で物語作ってかなきゃならんのよ。人の恋愛の形マネしたって、そんなもん、嘘だもん。
今や雑誌・媒体で、取り入れられない情報なんてないけど、だからこそ間違いもたくさん起きてる。大切なのは目で見て、心で感じて、脳へ送る作業。「こうなったらいいな」「こんな事になったら最高」、そうして自分を作っていく。いっぱい妄想してワクワクして成りたい自分を作ってく。どれが正しいかなんて、どれも正しいのよ。そして肝心なのは、それに続く行動!良き妄想したら行動してみる! オヤジバイブ(※2) に憧れて、勇気持って行動した事で、みりは夢のような夜々を手に入れたのだから!(輝) さてマーキーの頭の中は??