元ヤン・AV女優・タレント・作家etc.と、一筋縄ではいかない肩書きを持つすぎはら美里。某民放テレビ局プロデューサーで、目には見えないセーターがいつも肩にかけられているマーキー。この両極端な男女2人による赤裸々な往復書簡。
第34回 「世界一・日本一」
「ビックリ<ほっこり…♥」
このテーマに富士山とビックリ人間しか思いつかなくて、自分の引き出しの無さにうな垂れたわ~(>_<) でも全然その引き出しで行くけど(-。-)y゜゜゜
小学生の時、図書室に確かこんなタイトルの本があってさ。身長が2メートル以上ある外人さんとか、1週間一睡もしなかった人とか、洗面器に1時間も顔をつけて息継ぎをしなかった人とか、夢遊病で遠い外国まで行ってしまった人とか^_^ ギネス的な人達がいっぱい載ってて。今はもっとすごいんだろうけど、まだビックリ人間のハシリと言うかそんな時代だから、情報足りなくて、世界一ビックリ人間て書いてあるのに、急に「樹齢1000年の木」とか「青森にあるキリストの墓」とか出てきたりしてさ(笑)。で、小学生なあたしはすげえ興味あるんだけど、何か借りるのも恥ずかしくて、夕方人気のない時間にこっそり読みに行ったりしてた(笑)。
短時間でとにかく集中して読むんだけど、ほんとはじっくり読みたいわけ。だって、物凄い妄想を掻き立てられるじゃん!? 小学生だから、世間も世界も知らないし、そんなビックリ人間達はあたしん中ではもうファンタスティックな存在だから、実際身長2メートルの人に道を聞かれたら……とか、洗面器に顔をつけてる間、横で待っててって言われたけどトイレに行ったらズルで息継ぎされたら困る……とか、あたしも軽い夢遊病だから、お互いそんな状況で出会ったら寝たままどこまで行くんだろう……とか、考え始めたらもう楽しくて楽しくて、どこが現実かわからなくなるみたいな。で、夜ハッとして「こんなことずっと考えてるお前が一番ビックリだよ」って突っ込んで眠る(笑)。しょーもないなー、小学生なあたし♪
最近はもうビックリも出尽くして、だからバンジーでも何でもどんどんエスカレートして恐ろしいことになってるけど、そう考えると、人間はやっぱ無限なのかもって思う。枠を作ればその中の蛙になるし、枠を外せば鳥となってどこまでもなのかもしれないねえ。あたしはどっちかなぁ……。今までは結構鳥目指して頑張って生きてきたけど、ちょっと前から蛙もいいなって思える。毎日の同じ景色のちょっとした色の違いに、幸福を感じることが出来るようになったからねえ。実はそれが一番ほっこりな幸せだったりするしねえ……って、おばあちゃんみたいになっちまったが、鳥でも蛙でも、宇宙から見たら世界も日本も一緒!であれば、何にしたって思いっきりがいいって事だな! ね、マーキー♪
イラスト:川崎タカオ
すぎはら美里◎レディース総長→AV女優→芸人→タレント&作家…テレビ・ラジオ・歌舞伎町(?)など、様々なメディアで活躍中の男前すぎる姉御。特技は喧嘩。シングルマザー。新潟県出身。
マーキー◎某キー局勤務、TV番組&コンテンツ制作マン。朝シャン&昼シャン&当然、夜シャン!!三度の飯よりシャンパンを愛す、ちょいワルならぬ“ 極ワル”アラフォーギョーカイ人。東京・下町出身。ソウル・ミュージック好き。