CASE 01-1/4
工藤まゆみ(26歳)
生花店店員 東京都出身
いつもドキドキしていたい。超恋愛主義が呼び寄せた数々の体験
待ち合わせした新宿のホテルのティールームに行くと、椅子の側に大きな鞄を置いて、無心にビーズの刺繍をしている女の子がいた。彼女がまゆみ。今回取材を頼んだ子だ。私に気づくとまゆみは大きな目を細めて会釈した。お久し振りです。彼女とは知り合いの女王様主催のイベントで出会った。その場にそぐわない、いかにも普通な女の子がいたことに驚いて声をかけたのだ。
生花店で店員をするかたわら、ビーズ刺繍の付いた小物を作って、年に1~2度展示会をしているという。さらに日曜日は老人ホームにボランティアに行っている。そんな女の子がどうして女王様のイベントに? と聞くと、かつて女王様と一緒のクラブで働いていたことがあるという。私は思い切って取材の申し込みをした。彼女は「作らないで、そのまま書いてくれるなら」と、快諾してくれたのだ。おとなしい中にも芯の通ったものを感じた。勝手に捩じ曲げられた記事を書かれるなら嫌だと言う。ふつうはなかなか言えないものだ。彼女自身が自分に正直に生きていることの証し。そんな気がした。
■著者コメント
みんな、未明のページに遊びに来てくれてありがとう。このページではみんなと同じ「フツーの女の子」のセックス体験を、大げさに書くことなく、ありのままに伝えていきたいと思います。
ていうのもさ、女の子のセックスに関する記事って、女の子雑誌だとどーしてもファンシーになっちゃうし、おっさん雑誌だと馬鹿みたいにねじ曲げられて過激に作られちゃうじゃない。でもさ、私たちのセックスって、マスコミがあおるみたいにただ過激だったり、お金目当てだったりするわけじゃないよね。私たち女の子は、たとえ風俗で働いてたり、時にはすごくエッチになったりしても、自分のセックスに「切実さ」と「真剣さ」を抱えてるはずなんだ。
そのへんを私は描きたかったし、ここに登場してくれた女の子たちも、真剣に自分のセックスを語ってくれました。きっと、みんなに共感する部分があると思うので、ぜひぜひ楽しみに読んでください。