聞き書き彼女たちのセックス

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CASE 01-2/4
工藤まゆみ(26歳)
生花店店員 東京都出身
いつもドキドキしていたい。超恋愛主義が呼び寄せた数々の体験
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おとなしかった子供時代
 撮影と取材のためにリザーブした部屋に入る前から、彼女とはどんどん話が進んでいった。明晰な言葉、語彙が多い。本が好きでしょ? と聞くと、若い頃は内気で地味で、本ばかり読んでいたという。

「隣の駅に行くこともできないような子だったんですよ。中学まではいじめのスケープゴートにされることも多くて。眼鏡かけてたし、自信もないし。上履き隠されたり、修学旅行のグループ分けの時、最後まで入るグループが決まらなかったり。そんな程度ですけど。お小遣いは少なかったけど、図書館や古本屋さんに通って、漫画から何からたくさん読みました。最初にハマッたのは『ゲゲゲの鬼太郎』。思春期になってから好きだったのは『花とゆめ』。清水怜子さんの『月の子』とか好きだった。あと同性愛ものの小説とか。おとなしいんだけど、心の中では妄想がすごい、みたいな。そんな子でした」

 そんなまゆみが最初に恋愛関係を経験したのは高校2年、16歳だ。

「最初は好奇心だったんですよ。とにかくそういうことがしてみたくて。同じ部活の1コ先輩に、私のほうから声をかけて。そうなりたいって言って。そしたら先輩驚いていたけど、すぐにデートに誘ってくれて。彼の家はわりと裕福だったんで、お小遣いはたくさんもらってたみたいで。よく土曜日に私服に着替えて待ち合わせして。ラブホテルに行ってました。鶯谷とか」

 彼とはほどなく普通の恋愛関係になり、卒業までつきあったそうだ。彼の家に遊びに行った時、抱き合っていちゃいちゃしていたら、お母さんにドアを開けられて困った、などと高校生らしい思い出がたくさんだ。けれど、それ以外に高校2年の夏に別の体験をする。

「同級生の男の子二人と三人で。片方の男の子の家に遊びに行ってたんです。気が合って、ほんとうにいい友達って感じで。お互いの彼氏彼女との体験とか、話すじゃないですか。ふざけて触りあいとかしているうちにだんだん盛り上がってきちゃって。で、三人でそのまま。嫌じゃなかった。二人とも綺麗な顔をしていてタイプだったし。二人に触られるのって、とっても気持ちよくって。断ったらもったいないって気持ちで」

 二人はずっとそのことを黙ってくれていて、その後もいい友情関係が続いたのだという。なんだか素敵な青春の1ページっていう感じだ。

3年で破綻した結婚生活
 高校卒業後、流通事務の仕事を見つけた彼女は就職をする。若い時にありがちなことだが、親とそりが合わず、早く家を出たいと思っていた。でも給料の手取りは10万とちょっと。どうにも暮らすのは難しいと思っていた時に、11歳年上の男性と出会う。

「あるライブハウスのイベントに出かけて、そこで出会ったんです。お互い一人で来ていて、開場までの待ちの時間まで、階段に隣合わせに座ってたんで。話すと趣味も合うし、しっかりした人だと思ったんで、すぐに一緒に暮らそうってことになって。親にも結婚を考えているからって言って許可を取って。反対はされませんでした」

 けれどその生活は3年後に破綻する。

「掃除を一切してくれないし。意味のない嘘をつくし。『女はこうあるべき』みたいな考えが強くて、一緒にいるとつらくなっちゃって。あと、『女は求められた時にだけ応じればいい』って言うんです。で、セックスのときは赤いペディキュアをしないと、始めてくれない人で。なんかどんどん気持ちが覚めていって。年上は好きなんですけどね。ちょっとフケ専みたいなとこがあって。父性に飢えていたのかな。小さい時、父親の暴力がひどくて私もよく殴られていたから。甘えたい時に甘えてないんですよ。そのへんが、男の人を過剰に求めることと関係してるとこはあるのかも。でも男の人への恨みとか恐怖はないんです。今は父親が大好きですし」