スワッピングサークルの人気者
「でもね。なんだかずっと優等生できた自分が嫌だったところがあるんですよ。勉強できちゃったんで。親からは『いい子』って言われて育ったんだけど、それが『窮屈だな』って思いがずっとあって」
喋り口調は早口でソプラノ。頭の回転がいいのがよくわかる。じっくり考えるというよりは、そのときどきの発想に飛びついていくタイプなのだろうか? そのくせ初体験は遅い。どこか自分の殻を破れずにいたのか。十代はまだ親や周りに持たれてしまった「イメージ」の中にいたのかもしれない。
けれど今の彼女は少し違う。いや、かなり変わったのだろう。彼女とはあるスワッピングサークルの主催者の紹介で知り合ったからだ。亮子さんは毎週そのサークルでたくさんの男たちに抱かれる人気者なのだ。男たちは彼女の体と美しさに捕らえられ、再び抱きたいと望んでいるという。彼女もまた当分このサークルに出入りするだろうと微笑んだ。優等生で、大学に入るまで処女でいた10年前から今までの軌跡を、今日は語ってもらおうと思う。
「いや、ほんと私奥手だったんですよ。興味なかったわけじゃないんですけど、進学校だから、みんな受験でそれどころじゃないって雰囲気だし。まあ大学生になれば自然にどうにかなるのではって気持ちではいたんだけど」
で、どうにかなったんですね? と聞くと、へへ、と笑って彼女は大学時代のことを話してくれた。
「覗かれ好き」の彼氏と初体験、そして結婚
「大学では会計士になる人が勉強するサークルに入って、彼とはそこで会ったんです。彼は慶応だったんですけど、サークル同士の交流があって、そこで自然と仲良くなって、すぐデートすることになって。初めての時は、確かクリスマスだった。彼の家は横浜だったんですけど、親がいないから遊びにおいでって。デートしはじめてから、3回目くらいかなあ。私はそうなるのかなって思っていたから抵抗もなく。……受験で縛られて青春なかったから、反動もあったかもしれないけど。
初体験は、えっ、こんななの? って感じ。あんまりいい印象ないです。でも彼は初めてではないって感じで。経験あったみたいでしたね。何も聞いてないけど」
──彼とはずっとつきあって結婚したんだよね。
「うんそう。それで当然だと思ってた。彼は卒業して会計士になって。私は少しだけ銀行に勤めましたけど、すぐ退職して結婚して。結婚は順調だったんですよ。最初から月給50~60万はあったし、ボーナスが100万前後。年収で800万くらい。その後しばらくして監査法人の仕事をして独立したから、もっとお給料は増えました」
──エリートだなあ、で、結婚前のデートはどんな?
「彼がスカイライン持ってたんで、毎週それでドライブして。私が千葉で彼が横浜だから、湾岸が多かった。房総、湾岸、鎌倉、湘南。たまに遠出して伊豆箱根。
彼とのセックスは……。少し変わってるんですよ。