CASE 05-1/4
竹下まゆみ(26歳)
パタンナー 広島県出身
他人には「すごい体験」でも、私にとってはただの好奇心
一見、とってもとっても、おとなしそうに見える。もっちりときめの細かい白い肌。すこし下脹れの丸顔は彼女を年齢より幼く見せている。銀ぶちの眼鏡をして、きっと学校時代は真面目でおとなしい子だと思われていたような。みんなと騒ぐより、一人で本など読んでいそうな、そんなタイプ。
今日は出てきてくれてありがとう、そう言うと彼女は目線を外しなから、いいえ、と言った。少し怒っているような話し方。ちょっと近寄り難い雰囲気を持っているのだけれど、笑うと急に可愛らしくなる。出身地を聞いたら広島だという。そっちの言葉好きなの、広島弁で喋って、とおねだりしているうちに、きれいな標準語の中に少し広島ふうのアクセントが混じりだす。そのほうが、彼女の喋り方は素敵だ。さっきまでの近寄り難い空気が一気に薄らいできた。笑顔の頻度が増えてくる。
竹下まゆみは、不思議な女の子だ。取材というのではなしに、話していくほどこの女の子のことをもっと知りたくなる。高校を出てからパタンナーとして働き続け、東京には2年前に出てきたという彼女。なんだか不思議な磁力を持った彼女の体験は、その一見優等生風の風貌からは想像もつかない、彩り豊かなものだった。
■著者コメント
みんな、未明のページに遊びに来てくれてありがとう。このページではみんなと同じ「フツーの女の子」のセックス体験を、大げさに書くことなく、ありのままに伝えていきたいと思います。
ていうのもさ、女の子のセックスに関する記事って、女の子雑誌だとどーしてもファンシーになっちゃうし、おっさん雑誌だと馬鹿みたいにねじ曲げられて過激に作られちゃうじゃない。でもさ、私たちのセックスって、マスコミがあおるみたいにただ過激だったり、お金目当てだったりするわけじゃないよね。私たち女の子は、たとえ風俗で働いてたり、時にはすごくエッチになったりしても、自分のセックスに「切実さ」と「真剣さ」を抱えてるはずなんだ。
そのへんを私は描きたかったし、ここに登場してくれた女の子たちも、真剣に自分のセックスを語ってくれました。きっと、みんなに共感する部分があると思うので、ぜひぜひ楽しみに読んでください。