初体験は大滝詠一の曲とともに
「初体験は14歳。中学3年の春休みでしたね。相手は一つ年上の先輩。彼が高校に受かって告白されて。2年生だった時3年生だった彼を夏くらいから意識していたので、数回のデートの後、誘われるままに彼の部屋に行ってしちゃいました。彼の親はふたりとも帰りが遅かったみたいで。何度も行ったけど、一度も会ったことはなかった。
私は憧れてた人だったんで、そうなることを望んでいたし、彼に誘ってもらえて嬉しかったんですけど、とにかく二人とも初めてでしょ? もう、やり方も何もわからなくて大変でしたね。おかしかったのは、彼がとにかく夢中になっちゃって、服を剥ぎ取るように脱がせるなり、あそこに顔をこすりつけるように寄せて眺めたこと。ああ、女のあそこってこうなってるんだって顔で、こっちのことなんておかまいなしでじっと眺めて、そのあとは真剣な顔で指で広げてみる。そして次は無理やり指を差し込んできて、狂ったようにガチャガチャ動かすんです。もう私『痛ったー!!』って叫んで逃げて。でも放してくれない。腰をつかまれて引き戻されて。こんどは舐められるんだけど、子供だから舐め方なんて知らないじゃないですか。ただむしゃぶりついてべろべろと。気持ちいいどころかこれも痛くって。
でも、今思い出しても、胸がきゅんとなるんです。好きだった男の、あんな真剣な顔を見れたってことが、ものすごく幸せで。拙いやり方だったことなんて、なんの問題もない。というより拙いことが感動でしたね。愛というより興味と性欲だったのかもしれないけど、あんな夢中の男の顔を見れたってことがすごく大切な思い出」
その時、大滝詠一の『ロング・バケーション』がかかっていたと、えりさんは遠い目をする。
「だから、いまでもあのアルバムをきくとすぐにその気持ちに戻っちゃう。時間が経つほど美化されるせいもあるんでしょうけどね。『恋するカレン』なんか聞くと涙出そうになりますもん」
女子大生というだけでモテた時代
えりさんの「ターボがかかってきた」のは、高校時代。
「その頃は手当たり次第やってましたよ。結構人数こなして。多摩地方に住んでたので、いろんな男の子に車に乗せられて山のほうにドライブして、ダムの駐車場とかでカーセックスっていうのがお決まりのパターンだったかな。まだスモークガラスがあんまり普及してなかった頃で、すごく人目が気になってドキドキしたのを覚えています。今考えると、18~19歳の頃は性欲の虜だったなあ。
そして、大学生になった頃は、バブル到来なんですよ。毎夜のようにディスコに行って、気に入った相手がいればホテルに行って。その頃は高い服買ってましたね。ご多分に漏れず。今考えると何であんな高い服をと思いますけど、買えたんですよ。アルバイトもたくさんあったし、お金持ちのおじさまがいっぱいいたし。ロレックスやブランドの服や靴、何でももらったし、旅行もたくさん連れて行ってもらった。その時しばらくつきあったバブル社長なんて、ハワイ連れて行ってくれた時、ファーストクラスでしたもん。ホテルも当然スイートで。で、ブランドショップで服買ってもらいまくり。ええ、女子大生っていうだけでモテた時代。