マサルとはそれから半年くらいつきあった。会うとファミレスで食事して、ガストのハンバーグとかをよく食べた。
ビデオはほとんどロリコンとSM。あとスカトロも随分も持っていた。見たい、といったらマサルは最初「恥ずかしいよお」と言っていたけれど、結局は見せてくれた。何本か一緒に見たけど、みんな同じと思ってからは、真理子はあまり興味を持たなくなった。マサルも別に一緒に見ることを強要はしなかった。
するようになって1か月半くらいで、一緒にバイブを買いに行った。
「前の女の人のじゃ嫌だから、それは捨ててもらって。でも、そのあとも押し入れから前の女の人のタンポン見つけたりして、ちょっと嫌な感じ。でも喧嘩もしなかった。ふうん、て感じで。マサルはフェラチオをさせるのが好きで、でもしてみたらそれが意外に嫌じゃないのに驚いた」
多分自分には奉仕したい願望がある、と真理子は言う。結局はいろんなことを言われるままにした。バイブ、縛り、目隠し。おしっこも飲んでと言われて飲んだ。でも全部は無理だったけど、と笑う。マサルとは半年くらいでなんとなく自然消滅した。でもセックスの仕方とかはわりと好きだった。いろんなことしてくれて、楽しかった。
たくさんセックスしてくれる男は好き
真理子はその後高校を卒業して、都内のイタリアンレストランにウェイトレスとして就職する。寮にタダで入れて、給料が15万。悪い条件じゃなかった。
社会人になってからはいろんな人と遊んだ。思い出深いのは店のお客さんの一人だったヤスヒロ。34歳の証券マンで結婚していたが、なんとなく波長が合って食事に誘われ、渋谷のラブホテルまでついて行った。シャワーを浴びて出てきたヤスヒロは陰部に毛がなかった。奥さんに剃られたのだと言う。ヤスヒロと奥さんはカップル喫茶で知り合って結婚。変態プレイが二人とも好き。ヤスヒロは入れている間と乳首を触るたび、女みたいな声を出して悶えた。性器は大きめで仮性包茎。強くて、最初のときは7回射精した。彼とは何回かカップル喫茶に行った。今までつきあった中では変態度合いが一番強い。恐らくその変態の匂いに惹かれて、最初簡単について行ってしまったんだろうな、と真理子は言う。本当に変態だな、と思うけど、それは嫌ではない。何回も入れたがるところも。別れたのは奥さんが怖くなったからだ。ヤスヒロと会っていると何度も携帯が鳴る。自分のことに気づかれたようだった。そうでなければ今でも会いたいと思う。たくさんセックスしてくれる男は好きだから。
真理子はヤスヒロと別れて、同じレストランで働いていたコック見習いとつきあうようになる。彼とは、飲み仲間として半年くらい遊び歩いて、ちょうどヤスヒロと別れた頃に交際を申し込まれたのだ。望まれるままに真理子は結婚する。一緒に暮らすのも楽しいかも、というのが決意の理由だった。仕事は結婚を契機に辞めた。
秘密のアルバイト
しかしこの結婚は2年半しかもたなかった。夫はもともとセックスに淡白で、すぐに真理子を求めることがなくなった。「ああ、もう女じゃなく、『家族』になっちゃったんだな」と寂しく思ったのを真理子は覚えている。
それ以外にも夫への不満がたまってきた。夫は真理子とべたべたするよりもゲームをしたりするのが好きで、結婚した頃は「調理師の資格を取って、ステップアップする」と言っていたのに、結局何にも始めないからだ。そんな夫を見ていて「何か手に職を」と真理子は考え始めたのだという。週に何回か、流れ作業だけれども服を縫う仕事に就いた。けれどそれは長続きしないでやめてしまう。