2番目の彼は優しくてシャイな人
「そのあと広島でもう一人つきあいました。ミュージシャン志望の彼で、彼がライブに使う服とかアクセサリーを、私が働いている店に買いに来てたのが始まり。でもシャイな人で、何も言わずに練習の前に必ずうちの店に寄るって状態が1年くらい続いてて。それでやっとだから。ちょっとストーカーぽい。内に情熱を秘めるタイプっていうのかな。静かなんだけど、愛されたいっていう欲望のすごく強い人だった。
彼が言うのに、3人兄弟の真ん中なんですって。真ん中って、あんまり愛情こないじゃないですか。それで、自分は母親の愛を知らないと思ってて。それを埋め合わせるように私をすごく求めてくれた。初めてのセックスは、私から『今日はホテルに部屋とろう』って誘ったんです。例によってシャイだから、何回も食事してもちっともそうならなかったんで、こっちからきっかけ作って。でも、布団に入ってからも並んで寝てるだけで黙ってて、何もしないんですよ。で『なんだ。合宿みたいにただ寝るのかな』って、こっちが思った瞬間、がばっと」
──酸っぱい。いいね。彼。
「セックスはよかったです。優しくて。1時間半くらいかけて、全身舐めてくれるの。それこそ足の指まで。私が22で、彼はまだ24歳だったから、よく頑張ってくれたと思う。才能ある人だった。でも、だんだん彼のバンドの練習がハードになって。自己管理できない人だったから、物事に打ち込みすぎると生活がすごく乱れてほかのことできなくなっちゃう。で、私ともできなくなって。会っても疲れていつもぼうっとしてるし。
私も、きっと男といることが楽しくなくなってきたんだと思う。ちょうど仕事も3年やってひと区切りだしって。それで2年前出てきました」
SM調教師の彼との出会い
「東京に出てきてから会ったのは、SMの調教師の彼。50歳くらいかな。私やっぱりその世界好きなんですよ。で、たまたま夜遊びで知り合ったSMの女王様に誘われて『本格的な調教ってどんなのかな』って好奇心があったところだったからすぐ会いに行って。そしたらすぐされちゃった。隣で女王様はそれを見てて、『あ、またか』って顔してた。気に入ったらすぐやっちゃうってタイプの人だったみたいで。で。軽井沢に別荘があるからおいでって誘われて。着くなりすぐベッドにぎちぎちに縛られて。
彼はすごくタイプなんです。声が宇崎竜童に似てて。今もときどき会ってますよ。ほかにも女性はいると思うけど。まあ会っているときは二人きりだし楽しいからいいかって。 最初別荘で会った時はドキドキしましたね。それこそ部屋一面にSMの道具が並んでるんですよ。壁には十字架、ベッドには拘束具。壁と床一面にムチ、ローソク、浣腸器……。
私、最初の彼がSだったじゃないですか。でも縛りとかはなかったから、本格的にされたらどうなるんだろうっていう興味がすごくあったんです。で、機会があったら試したいっていう。彼はそういう意味では理想的な人で。初めて縛られて吊り上げられる、その行為が始まる瞬間までが一番盛り上がりました。どうなるのっていう不安と期待で。でも不思議と縛られ始めた瞬間気持ちは萎えた。不思議だけど。そこからは『よくやるなあ』って、醒めて上から見てるような自分がいて。それでも楽しいんですけどね。ひととおりは全部したんです。緊縛、吊り下げ、ムチ、スパンキング、ローソク、浣腸。体的には全部受入れOKで。彼上手だし感じる」