聞き書き彼女たちのセックス

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CASE 09-3/4
楠本 さゆり(26歳)
呉服店店員 高知県出身
一番辛かったときに側にいてくれた彼と、幸せを掴みたい
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 セックスは楽しかった。彼とホテルにいる間は、ずっと裸なんです。二人とも。裸が好きな人で、私の体をいつも嬉しそうに見てくれた。そしてすぐに前戯。一緒にいる間中キスしたり、触ったり、彼に体を開発されたようなところがあったかも。セックスは朝に1回。夜に1回。彼のものは大きかったですね。あと、すごくやきもち焼き。髪の毛を染めてくれたときに、私が浮気しないようにって、下の毛も染められちゃった。次にはエスカレートして、剃られちゃったの。でも嬉しかった。そして月に2回くらい、2泊3日の旅にも連れて行ってくれたの。安めのところですけどね。露天風呂に入って。そこでも愛し合って。ほんとうに、なんであんなに楽しかったんだろう。

 でも、別れちゃったんですね。結婚の話が出たとき、彼の親はもう体が弱ってるんだけど、介護とかそういうこと考えられないと思ったし。あと、彼は地方にいっぱい恋人がいたんですよ。私の知らない土地に、女の子がいっぱい。そのへんも、迷いの原因でしたね」

実家の破産--波乱の季節
「そんなこんなで、うやむやになっているときに、今度は私の親に問題が起きたんですよ。父親は事業をしてたんですけど、社員が売上を持ち出して逃げちゃって。破産しちゃったんですね。母が看護婦さんでしっかり働いていたので、なんとかなったんですけど。私は学費や生活費を自分で稼がなくちゃならなくなって。水商売を始めたり、そんなことをしているうちに、その彼とは縁が切れちゃいました。

 スナックでほとんど毎日働きました。少なくても20万、多いときは30万稼いで。月10万家に仕送りをしました。ひところ精神的にかなり投げやりになって、チャンスがあればいろんな人と一夜限りの恋をしたりしてた。でもそういうのは、自分がすり減るだけだから、もうしたくないですね。そんなとき、電気工事の仕事をしている会社員の人と恋愛して、彼の家で同棲するようになりました。自分のアパート代払いながら仕送りするのは辛かったんで、正直助かりましたよね。

 この頃は本当に大変でした。父親はふぬけたみたいになって働かなくなっちゃうし。妹はすごく繊細で、不登校から引きこもり、精神的に病んでしまって。それで父が妹を責める。でも妹からしたら、働きもない父親が何言ってるんだって感じで逆らうでしょ? それでケンカになったりして、家庭がめちゃめちゃになっちゃって。本当に大変だった。このころ妹が家にいられないって、私を頼ってきたんですよね。で、またアパート借りて、面倒みたりして。それで、その電気工事をしてた彼とは別れてしまうんですけど。もう卒業だし、とにかく就職しなくちゃって必死だった年でした。

 でもめでたく外資系の会社に就職できたんですよ。3000人の中の40人で採用されて。ただ、いい会社でお給料もよかったんですが、部長にすごいセクハラにあったんです。社員旅行のときに、私の部屋に部長が来て、押し倒されてやられてしまって。それから部長が、まるで恋愛モードに入ってしまって、食事だの、映画だのに誘われて……。私は他に、社内に恋人ができていたので、もう、つらくて。鬱病の症状が出て、会社にいると涙が止まらなくて、とにかく働けなくなったんです。妹はその頃にはもう私のアパートを出ていたから、それは救いだったんですけど。会社にはもういられないし、妹も養わなくていいってことで、辞めました。

 でも、正直惜しかったですよ、初年度の年収が400万、2年目で500万、いま同期は26歳で800万になってるって。まあ、ただ激務だったのは確かなんですよ。鬱病になったのは、セクハラだけではなくて、激務のせいもあったんでしょうね。それで、辞めてしばらくは病院に通って、ゆっくりしてました。会社のときの彼とは今もずっと続いてて、それが一番の心の支えです。一番辛かったときに側にいてもらった。体も合うし、ずっと続けたいですね」